初めてマストチューニングをしたのは今から15−6年前、アンダース・ブリンダルのアドバイスで6.2のスラロームセイル用SDM430マストのボトムを下から8cm切った。理由はセイルのハンドリングが固いのでマストの下を短くしてマストをソフトにするためだった。たしかに言われるままにカットしてセイリングすると使い易くなった。

LIBERTY RDMマスト コンセプト

最初に考えたのは各サイズのマストトップとボトムがつながるようにすることだった。100%、80%、55%各サイズがそれぞれにつながる。従来のマストでは自分の体に合わせたマストの固さのコントールができない。選択の余地がない状態でセイルのダウンとアウトだけを調節してセイルをチューニングをし、しなやかなセイルに仕上げるには限界があった。LIBERTY ブランドでは、各サイズのマストを30cmから15cmごとに選べるようにする。

セイルの理想の状態は、パワーポイント(セイルのボトム付近)の中心が強いブローによって移動せずロックされ状態でセイル上部がツイストベントして開き余分な風を逃がす。つまり強風時に体がぶれないことだ。この状態を作り出すにはセイルのダウンとアウトの調整だけではむずかしい。つまりセイルが指定する1本のマストベントカーブだけではすべての人の要求に応えることが難しいためだ。
各個人の求める理想のセイルコントロールのため、必然的にマストチューニング、体に合わせた真ん中から上部のフレックスコントロールが必要になる。

 

LIBERTY MASTS チューニング

セイルサイズ LUFF コンディション MASTS
8.0u 500cm オールラウンド 490上下、490ボトム+460トップ
    強風ラフコンディション用 460上下
7.2u 476cm オールラウンド 460上下
    強風ラフコンディション用 460ボトム+430トップ
6.5u 454cm オールラウンド 430上下
    強風ラフコンディション用 430ボトム+400トップ、400上下+ミドルエクステンダー
5.9u 427cm オールラウンド 400上下
    強風ラフコンディション用 400上下
5.3u 418cm オールラウンド 400上下
    強風ラフコンディション用 400ボトム+370トップ、370上下+ミドルエクステンダー
4.7u 392cm オールラウンド 370上下
    強風ラフコンディション用 370ボトム+340トップ、340+ミドルエクステンダー

*おそらくトップスピードはオールラウンドのマストセットが伸びる。 しかし海面が荒れてセイルが硬く感じるようなときは強風ラフコンディション用のマストセットの方がコントロールも良く結果的には速くセイリングできる。体重が軽量のセイラー或いはしなやかなハンドリングとコントロールを目指すときは強風ラフ海面用のマストチューニングをお勧めする。

LIBERTY 30cmマストミドルエクステンダ− 使用メリット 

各マストセクション、上、中、下を約4%ほどソフトにすることができる。
マスト上下のサイズを変えて(430ボトム+400トップ)使用する場合はエクステンションがカタログデータより15cm長くなる。
ミドルエクステダーとマスト上下を変えて使用するだけでチューニングバリエーションは増え、自分の体に合ったものをより見つけやすくなる。

   

荒れた海面で楽にセイリングする

イスに座ったままセイリングするような感覚。マストの中間から上部が、風にしなやかに反応する。ワンサイズ短いマストトップやミドルエクステンダーを使用することで強風時のコントロールが格段に向上する。勿論ボトム部分がしっかりしてパワーポイントが動かないことが前提になる。

更なるメリット

通常強風時のダウンテンションは強く引いてしまうことが多い。オーバーパワーを押さえる為ダウンを更に引いていくとマストがベントし固くなり、ハンドリングとしてはオンオフが激しくセイリングしにくいセイルになってしまう。”しなやかなマスト"はダウンをあまり強く引かずに、逆にゆるめることで更に"しなやかなマスト"、セイリングしやすいセイルを手にいれることが可能になる。